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ADHDの子どもに薬を勧められたのですが?(その2)

 

 

Q. 子どもがADHDと診断され、お薬をのむよう勧められました。精神科のお薬って、なんだか不安です。

 

お子さんがADHDと診断され、服薬を勧められたら、親として子どもに服薬させるかどうか悩むのは当然だと思います。

 

過去記事ADHDの子どもに薬を勧められたのですが・・・」(20213月17日)では、まずは環境調整を行い、それでも日常生活に困難が生じているようなら服薬を、という提案をさせていただきました。 

 

私(竹田)はこれまでに小児科や小学校・中学校でADHDのお薬を利用している子どもの事例を多く見てきました。

また開業してからは、成人でADHDの診断があり、服薬していらっしゃる方にもお会いするようになりました。

 

これらの経験を通して、ADHDと服薬について事例から学んだことをここに書いてみました。

心理職の立場からの見解ですので、医学的な視点からの意見ではないことに留意してお読みいただき、参考になりましたら幸いです。

ADHDの薬の作用の現れかた

 これまで出会った、小児科や小学校・中学校で、ADHDの子どもが服薬している事例を見ると、薬を飲み始めて間もない時期は、頭痛や食欲減退などの副作用が現れやすいようです。

中には眠気が強くなる、というケースもありました。

 

しかし、しばらくすると(2週間~1ヶ月くらいでしょうか)、身体が副作用に徐々に慣れていき、正の作用(集中力があがる、落ち着いて行動できるようになる、など)が前面に出てくるようです。

 

副作用と聞くと不安になると思いますが、副作用があるということは、薬が効いているということだと聞いたことがあります。

日常生活での困り感が大きく、薬によってその困り感が軽くなることが期待できるなら、試してみることも一つの選択肢ではないでしょうか。

副作用の現れ方、その程度はどのくらいか、そしてどのくらい続くのか、といったことは人によって違うようです。

 

薬をのんでみてデメリットが大きいようなら中断することも、もちろん可能です。ADHDの薬はADHDを治すものではないため、学校がない日は服薬しない、という使い方ができます。

実際、そのような使い方をしている方は多いように思います。

 

服薬に本人が納得することが重要です

保護者が薬に対して不安を感じるように、子どもだって不安を感じて当然です。

子どもによっては「薬まで飲まなければならない自分は、他の子どもとは違う、ダメな子なのでは?」という感覚を持つかもしれません。

 

そこで、どのような目的で服薬するのか、どんな副作用があるのかなど、服薬を始める前に、子どもに十分に説明し、子どもが納得して服薬することはとても重要です。

子どもの気持ちをよく聞いてあげて、子どもが納得する説明をし、親と子・医師と子どもの信頼関係を壊してしましまわないようにしましょう。

 

また服薬を始めてしばらくは、体調の変化が起きる可能性がありますから、それらをあらかじめ学校に伝えておくことは必要でしょう。

学校にどのように伝えるかについても子どもと話し合っておきましょう。

 

家族が十分に話し合い、主治医とともに検討し、良い選択ができるようにと願っています。

家庭・学校・病院が連携して対応しましょう

ADHDの診断にあたっては、社会的な場面(つまり学校)での子どもの様子について主治医が確認しなければならないことになっています。

そのため、学校は保護者経由でチェックシートへの記入を主治医からお願いされることがあるでしょう。

 

服薬が始まったら、学校の先生方は、子どもの行動の変化をよく観察し、家庭に報告していただけると保護者は助かります。

望ましい変化が見られない場合には、薬の中止、変更、増量を検討することが必要かもしれません。

子どもがせっかく服薬しているのですから、良い変化は見逃さずに家庭に伝え、服薬した甲斐があったと子どもや保護者に思ってもらいたいものです。

 

多くの児童精神科医は、教員が診察に同席することを積極的に受け入れています。ぜひ学校も医療機関と連携して対応していただければと思います。

成人のADHDの服薬について

最後に成人のADHDの方の服薬について少しだけ述べておきます。

 

開業してから、成人でADHD薬を使用している方々にお会いする機会がありました。

頭の中に常に音や思考が飛び交っていた状態が、服薬によって静まり、集中すべきことに集中して取り組めるようになったというお声をお聞きしています。

薬によって生活の質が向上するのであれば、何よりだと思います。

主治医とご相談になり、服薬による対処も検討されてはいかがでしょうか。

 

 (竹田)

 

 参考資料:

 

LITALICO 発達ナビ

「ADHDがある子どもの薬物療法とは?ビバンセ、コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、それぞれの違いと副作用を解説――マンガで学ぶ発達障害の薬【医師監修】」

ADHDのお薬は4種類あり、それぞれについて医師が詳しく説明しています。

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