「ペアレント・トレーニング入門編」を実施しました

 

北浦和カウンセリング&サービスでは、ペアレント・トレーニング講座を行っています。

 

これとは別に。2022428日には、ペアレント・トレーニングについてご紹介する「無料オンラインセミナー ペアレント・トレーニング入門編」をオンラインで実施しました。(下のチラシをご参照ください)

 

5名にご参加いただき、うち3名が対人援助の専門職の方でした。

 

講座でお伝えした内容の一部、

  1. ペアレント・トレーニングの現状
  2. ペアレント・トレーニングの効果

をここでお伝えいたします。

 

1.ペアレント・トレーニングの現状

 

入門編では、まずペアレント・トレーニングを取り巻く現状についてお話しました。

 

ペアレント・トレーニングは1970年代にアメリカで非行、不登校、問題行動、ADHDの子どもを育てる親のストレス軽減として利用されてきたものが、2000年以ころから日本でも実施されるようになってきました。

 

2002年に出版された「読んで学べるADHDのペアレントトレーニング むずかしい子どもにやさしい子育て」は、アメリカでペアレント・トレーニングを行っていたシンシア・ウィッタムの著書を上林靖子らが翻訳したものです(参考資料1)。

 

この後、日本では発達障害の子どもへの支援に大きな転換が起きます。2005年に発達障害支援法が施行され、さらには2007年に特別支援教育がスタートしたのです。これにより発達障害の子どもへの支援ニーズの高まり、それと共にペアレント・トレーニングは全国の自治体、医療機関、教育機関などで実施されるようになりました。

 

しかし講座に参加できる人数が少数に限られていること(通常6~8名)、公的機関で実施されることが多いために平日の開催となり、働く保護者が参加しづらいことなどの事情から、保護者が講座を受けたいと思ってもなかなかその機会がないという現状があるようです。

 

このような現状がある中、北浦和カウンセリング&サービスでは講座を土曜日に開催しているので、仕事を持つ保護者にもご参加いただきやすいと思います。

 

2.ペアレント・トレーニングの効果

 

当施設でのペアレント・トレーニング講座の開催は、これまで2021年秋と2022年冬の2回、参加者は合わせて7名となりました。参加者には2種類のアンケートをお願いしています。

 

一つ目はひとつは「肯定的・否定的養育行動尺度」というものです。講座の前後でご記入いただいており、それらを比較すると、肯定的な養育行動(親が子どもをほめるなどの肯定的な関わり)が講座後に増え、否定的な養育行動(親が子どもを叱るなどの否定的な関わり)が減ったという結果が得られました(グラフ 1.)。

 

 

グラフ 1.

 

※参加者に了解をいただいて掲載しています。

 

二つ目は「SDQ子どもの強さと困難さアンケート」というもので、結果を見ていただくと、総合的困難さ(親が子育てに困難を感じる度合い)が講座の後は下がっていることがおわかりいただけます。また向社会的な行動(子どもが他者と関わろうとする行動傾向)は講座後に高くなったという結果となりました。

 

これらのアンケート結果から(統計差は確認はしていないものの)、ペアレント・トレーニングの効果が示されたと捉えています。

 

 

グラフ 2.

 

※参加者に了解をいただいて掲載しています

最後に

ペアレント・トレーニング講座では、参加者同士の交流を大切にしています。他の参加者がどのようにお子さんと関わっているかを聞くこともとても参考になるものでです。

 

講座が終了して3ヶ月後にはフォローアップミーティングで再会の機会を設け、講座で学んでいただいたスキルを使ったお子さんとの関わりを継続していただけるよう、後押ししています。

  

対人援助専門職の方の中には、ご自身でペアレント・トレーニングを実施してみたいとお考えの方もいらっしゃると思います。日本ペアレント・トレーニング研究会がペアトレ実施者の養成を行っていますので、ファシリテーター資格をお取りになることをお勧めします。

  

今後も講座を通してお子さんとの関わりについて保護者の方々とご一緒に学んでいきたいと思います。

 

 

※2022年冬のペアレント・トレーニング講座の様子。参加者の同意を得て掲載しています。

 

参考文献:

1.「読んで学べるADHDのペアレントトレーニング むずかしい子にやさしい子育て」シンシア・ウィッタム著 上林靖子・中田洋二郎・藤井和子・井潤知美・北道子訳 明石書店