2021秋のペアレント・トレーニング講座を実施しました

 

202110月から12月にかけ、「ペアレント・トレーニング講座」を当施設にて実施しました。講座は全5回のセッションからなり、各セッションの内容は下の通りです。

 

  • セッション1.子どもの行動を3つに分けましょう
  • セッション2.好ましい行動をほめましょう
  • セッション3.子どもの協力を増やす -効果的な指示の出し方①-
  • セッション4.好ましくない行動を減らす -上手な無視の仕方-
  • セッション5.子どもの協力を増やす -効果的な指示の出し方②-

 

 

今回、参加してくださった方は4名で、小学校中学年から高学年のお子様の保護者です。講師は恒松と竹田が努めました。当施設で初めて実施したペアレント・トレーニングでしたので、至らないこともあったと思いますが、参加者のみなさんに助けられ、講師も多くの学びを得ることができました。

 

 

たいへんありがたいことに講座終了時に参加者からいただいたアンケートでは肯定的な評価をいただき、ひとまずほっとしています。

 

「子どもの困った行動について参加者で話し合い、他の方からアドバイスをもらったのが良かった」というご意見を複数いただきました。

 

ペアレント・トレーニング講座では、単にスキルを学ぶだけでなく、子育てに悩む当事者のグループ内の交流の時間もあります。今後はこの部分をさらに大切にしていきたいと気づかせていただきました。

 

 

 

 

 

 

セッションの様子です。

参加者のご同意を得て掲載しています。

事前の環境調整も考えてみましょう

 

ペアレント・トレーニングは「子どもの好ましい行動に親が肯定的な注目を与えれば、その行動は増える」「好ましくない行動に注目を与えなければ(無視すれば)、その行動は減る」という応用行動分析の考え方が基本にあります。

 

しかしお子様によっては、ほめられることを嫌がったり、親が無視していることに気がつかなかったりすることがあります。そこで「ほめる」「無視する」に加え、

「行動が起きる前の工夫(事前の環境調整)」を新たに内容に加えました。

 

行動が起きる前の工夫(環境調整)を考えるときは、”ストラテジーシート”を用いると状況や対応が整理しやすくなります。ストレテジーシートは井上雅彦先生(鳥取大学医学系研究科臨床心理学講座)のHPに英語版のサンプルが掲載されていますのでご参照ください。

https://www.masahiko-inoue.com/school-wide

ペアレント・トレーニングの効果測定

今回は下の二つの質問紙を用いて効果測定を試みました。

 

     PNPS肯定的・否定的養育行動尺度

 

親の養育行動を、肯定的養と否定的養育の両側面から包括的に評価する質問紙で

す。ペアレント・トレーニングの効果を把握するためにも用いられます。

 

 

    子どもの強さと困難さアンケートSDQ

 

子どもの情緒や行動についての25の質問項目を親が回答する形式のアンケートです。子どものメンタルヘルス全般をカバーするスクリーニング尺度として、英国で開発され、世界各国で臨床評価、学校健診などのスクリーニング、そしてさまざまな研究の目的で広く用いられています。https://ddclinic.jp/SDQ/aboutsdq.html で無料配布されています。

 

講座の前後でこの二つの質問紙に参加者に回答していただきました。結果は、PNPSでは肯定的な関わりが増え、否定的な関わりが減る傾向が、またSDQでも子どもの問題行動のレベルが下がる傾向が得られました。

(回答者数が少なく講座の前後に統計的な差があるかどうかの確認ができないため、”傾向”という表現をとっています)

 

おわりに

 

 ペアレント・トレーニングで身につけたスキルを今後も続けてご家庭で実践していただくため、フォローアップミーティングに参加していただくことが役に立つと考えています。3ヶ月後に実施の予定です。

 

 

また今回の振り返りを踏まえ、「2022春のペアレント・トレーニング講座」ではさらに内容を精査し、参加者の皆様のお役に立てるよう励みたいと思います。今回、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

(竹田)