竹田希美子 (たけだきみこ)

 

■カウンセラーになるまで

 子どものころは本の虫。物語に親しむことで人の成長や心の変容に関心が向いていったように思います。

 大学では将来のキャリアのことなど考えずにぼんやり過ごしたため、たくさんの会社に不採用をもらってようやく商社に滑り込み、待遇や仕事の内容などで男女差別を経験しました。これは私にとって大きな体験で、ここからキャリアについて真剣に考えるように。ところが人生は思わぬ方向へと向かっていき、駐在員妻として海外を転々することになったのです。

 インドネシアやタイで出会った現地の女性は、英語を駆使し男性と肩を並べて生き生きと仕事をしていました。一方、駐在員の世界では、同行した妻は「○○会社の××さんの奥さん」という立ち位置になってしまい、自分がないような気持ちになって、仕事に就きたい気持ちがますます高まりました。思うようにいかない子育てに悩んでいた頃でもあり、子どもの発達や人間の心理に関する本を読んで、次第にカウンセラーになりたいと考えるようになりました。

 タイに住んでいたときに大学院でカウンセリングを学び、院卒後に移り住んだシンガポールでは日本人のための病院でカウンセラーのキャリアをスタート。また現地NGO、AWARE(男女の平等を提唱し活動している女性の団体)のサポートを受けて、友人たちとともにシンガポールに住む日本人女性のための無料電話相談も立ち上げました。

 帰国後の日本への再適応は思いのほか心身に負担がかかったようで、更年期も重なって顎関節症に。また新米カウンセラーゆえ、仕事でもなかなか自信が持てませんでした。日本や職業役割と噛み合わない私がいたのだと思います。

 40代半ばでようやく臨床心理士の資格を得て、再び駐在でアメリカへ。アメリカでは州のカウンセラー資格がないとカウンセリンラーとして活動できないため(一方、日本では資格の有無や経験は問われず、誰でも”カウンセラー”と名乗ることができます)、自然に囲まれ静かにゆったり過ごすうち、幸いにも体調を取り戻すことができました。

 2005年(平成17年)に日本に本帰国して仕事に復帰し、小児科、精神科、心療内科、学校、EAP(企業に勤める方のカウンセリングを行う機関)とさまざまな臨床の現場でクライエントとお会いし研鑽を重ねてきました。小児科での経験が最も長く、子どもと親御さまの役に立ちたいとの思いがあります。

 

■過去の勤務先 

〈医療領域〉

至誠会第二病院 小児科心理相談室および心療内科心理相談室,

渡辺メンタルクリニック, みさと協立病院,  ジャパン・グリーン・クリニック(シンガポール)

 

〈教育領域〉

東京都および千葉県の小・中・高校(全日制・定時制)にてスクールカウンセラ―

文教大学大学院人間科学科非常勤講師(外部事例スーパーバイザー)

 

〈産業領域〉

(株)フォーサイト・カウンセリングセンター

至誠会第二病院(職員研修と職員のカウンセリングを担当)

 

■主な研修歴

1999~2000年 教育分析を船井哲夫先生(ユング派分析家 現.聖みどり病院)よりシンガポールにて受ける

2000~01年 日大板橋病院 精神神経科 研修生

2001~03年 「代々木の森ロールシャッハ研修会」にて上芝功博先生より片口法ロールシャッハ解釈法を学ぶ

2006年~10年 WISC-Ⅲについて個人スーパーヴィジョンを東原文子先生(筑波大学・聖徳大学)より受ける

2016~19年 東京ブリーフセラピー研修会主催 解決志向ブリーフセラピー講座(講師 青木みのり先生(日本女子大)ほか)を受講

2017年 米国ベック研究所にて CBT for Challenging Problems in Youth を受講

2019年 日本ペアレントトレーニング研究会 トレーナー資格を取得

      日本EMDR学会 Weekend1資格を取得

2020年 ストレスチェックテスト実施者研修

     米国ベック研究所 CBT for Anxiety (online course) を受講

 

■論文など

〈学術論文〉

  1. 摂食障害患者の外来治療の継続について. 共著 平成16年1月 精神科治療学第19巻1号 pp.97-104.
  2. 海外の教育現場における発達障害の子どもたち -With Kidsの事例から-. 共著 平成22年2月20日 こころと文化第9巻第1号 pp.23-28.

 

〈口頭発表〉

  1. 描画テストで棒人間を描いた2事例について. 共 平成18年11月6日 日本イメージ心理学会第7回大会発表論文集 pp.10-11.
  2. 自主シンポジウム 海外日本人学校への相談活動(2). -Withkids/海外に住む子供たちの心の健康をサポートする臨床心理士の会- 共 平成19年 日本心理臨床学会第26回大会発表論文集.
  3. 自主シンポジウム 海外日本人学校への相談活動(3). -Withkids/海外に住む子供たちの心の健康をサポートする臨床心理士の会- 共 平成20年 日本心理臨床学会第27回大会発表論文集.
  4. 自主シンポジウム 海外日本人学校への相談活動(4). -Withkids/海外に住む子供たちの心の健康をサポートする臨床心理士の会- 共 平成22年 日本心理臨床学会第29回大会発表論文集.
  5. 自主シンポジウム 海外日本人学校への相談活動(5). -Withkids/海外に住む子供たちの心の健康をサポートする臨床心理士の会- 共 平成23年 日本心理臨床学会第30回大会発表論文集.
  6. 自主シンポジウム 海外日本人学校への相談活動(6). -Withkids/海外に住む子供たちの心の健康をサポートする臨床心理士の会- 共 平成24年 日本心理臨床学会第31回大会発表論文集.
  7. 小児科における心理相談に求められているもの -20年前のデータとの比較で見えてきた近年のニーズ- 単 令和元年 日本心理臨床学会第38回大会論文集.

 

〈ポスター発表〉

  1. スクールカウンセラーによるスクールカウンセラーのための研修2. 共 平成28年 日本心理臨床学会第35回大会論文集.

 

〈講演〉

  1. 群馬県国際観光協会 外国人相談窓口実務者のための総合研修事業 講師 「カウンセリングの聞く技術」 平成21年.
  2. 社会福祉法人 松戸福祉会 学童保育研修 講師 「児童の問題行動への対応を考える」 平成22年.

 

〈そのほかの記事〉

  1. バンコクに住む日本人駐在員の妻と心身の健康 -幼児を持つ母親への調査から-. 単著 平成10年11月 バンコクすくすく会会報すくすくだより No.32 pp.20-21.
  2. 海外に滞在する母子へのメンタルヘルスサポート活動. 共著 平成20年3月 海外勤務と健康 第27号 pp.41-45.

 

■所属学会・学術団体

日本心理臨床学会

日本ブリーフサイコセラピー学会

日本認知・行動療法学会

日本EMDR学会

日本ペアレント・トレーニング研究会

 

■受賞歴

1998年 アサンプション大学大学院学長賞

2013年 日本心理臨床学会 平成25年海外研修助成