「がんばっているのになぜかうまくいかない」
そのような悩みを抱えて来談される方は少なくありません。
例えば、
- 学校では「不注意」「やる気がない」と言われる
- 仕事中に話しかけられると頭が真っ白になる
- 一つずつならできるのに、複数のことを同時に求められると混乱する
- 理解はしているはずなのに、うまく説明できない
- 周囲に合わせ続けて疲れ切ってしまう
このような困りごとは、性格や努力不足だけでは説明できない場合があります。
知能検査で見えてくる「得意」と「苦手」
知能検査(児童用WISCや成人用WAIS)では、「IQ」という一つの数字だけではなく、認知の得意不得意の特徴を見ることができます。
例えば、
- 言葉で理解する力が高い
- 見て考える力が得意
- 一時的に情報を覚えながら処理することが苦手
- 作業スピードに波がある
など、人によって特徴はさまざまです。
同じ「学校がつらい」「仕事でミスが増える」という状態でも、
- 指示が一度に入ると混乱しやすいのか
- 処理速度の負担が大きいのか
- 不安が強くなると能力を発揮しにくいのか
によって、必要な工夫や支援は変わってきます。
知能検査で大切なのは、「できる・できない」を評価することではありません。
その人がどのような場面で力を発揮しやすく、どのような状況で負担が大きくなるのかを整理し、具体的な支援につなげていくことに意味があります。
子どもの場合は「普段の様子」がとても大切
子どもの知能検査では、検査場面だけで判断するのではなく、普段の様子についての情報もとても大切になります。
保護者の方のお話に加えて、学校のスクールカウンセラー、担任の先生、放課後等デイサービスの先生など、家庭とは違う場面で子どもを見ている方からの情報があると、子どもの特徴をより立体的に理解しやすくなります。
例えば、
- 学校では頑張りすぎて疲れ切っている
- 集団では緊張が強くなる
- 家では問題ないのに、教室では指示が入りにくい
- 得意なことと苦手なことの差が大きい
など、場面による違いが見えてくることがあります。
検査結果を具体的な支援につなげる
検査後には、結果をご説明するだけでなく、学校や家庭、職場でどのような工夫が役立ちそうかについても、できるだけ具体的に提案しています。
実際に、
「自分が怠けているわけではなかったと分かった」
「子どもへの声かけを変えるきっかけになった」
「学校に相談しやすくなった」
「職場で仕事をしやすい工夫をしてみようと思う」
と話される方も少なくありません。
多くの方が知能検査を利用してくださっていますが、「もっと早く受ければよかった」と言われることもあります。
初回カウンセリングについて
当相談室では、初回カウンセリングで現在困っていることについて具体的に確認させていただきます。必要に応じて、お子さんの行動の様子も見させていただくことで、検査前の段階でも、家庭、学校、職場で役立つ具体的な提案を行っています。
すでに学校や医療機関などから情報提供書をお持ちの方は、初回カウンセリングを利用していただかなくても、知能検査から開始することが可能です。
最後に
知能検査は、「知的能力」を評価するだけではなく、その人の困りやすさや、力を発揮しやすい条件を理解するための一つの手がかりになります。
