海外に暮らす日本人は、外務省によれば約141万人(令和元年)で年々増加しています。また海外に長期滞在している子どもは約8万人(平成28年)とのことです。海外での子育ては、日本での子育てとは違ったご苦労があるでしょう。そのような方に向けて当施設がご提供できるサポートについてご案内いたします。
- 海外での子育てにまつわる悩み、不安、ストレス
- 当施設が対応できるご相談
- 海外で子育てをすることのメリット
1.海外での子育てにまつわる悩み、不安、ストレス
海外での子育ては、ご実家に頼ることがままなりません。そのため母親にとって頼りになるのはまずは夫、という状況があります。ご主人が子育てに消極的だったり、残業や出張、接待などで家を空けることが多いご家庭では、母親の子育てストレスは非常に大きく、日本で子育てする人の比ではないくらいでしょう。さらに母親が日本で就いていた仕事を辞めて帯同した場合なら、自尊心の低下を味わったり、社会との繋がりを断たれてしまったような孤独を経験することもあると思います。
また住んでいる国によっては、乳幼児検診がない、日本語で医療を受けられない、ということもあります。「発達に遅れはないだろうか」「親として子どもとどう関わったらよいのだろうか」といった悩みや不安は子育ての過程で誰もが感じるものですが、相談できる専門家が身近にいない環境では、不安がますます募ってしまうでしょう。
就園・就学の年齢にさしかかると、どの言語の教育環境を選べば良いだろうかという問題も起きると思います。そもそも日本語の教育環境が近くにない場合もあるでしょう。現地の言語で子どもに教育を受させる場合には、日本に帰国後の再適応が心配になるかもしれません。
2.当施設が対応できるご相談
北浦和カウンセリング&サービスでは、海外の方からの子育てについてのご相談をオンライン・カウンセリングでお受けしています。お子様の発達のご様子をうかがい不安に思っていらっしゃることについてアドバイスさせていただいたり、お子様の個性に合った関わりを提案させていただいたり、など、ご相談内容に応じて対応いたします。
またオンラインでも実施できる発達検査がありますので、ご希望によりご利用いただけます。カウンセリングの中でご利用いただく検査には別途の料金はかかりません。
- M-CHAT・・・3歳までの子どもに自閉症傾向をチェックします。こちらの質問に「はい」か「いいえ」で答えていただく簡単な検査です。
- PARS-TR・・・3歳以上のお子様の自閉症傾向をチェックします。30分程度を要します。
- 津守・稲毛式乳幼児精神発達診断・・・7歳までのお子様のご家庭・園においての生活場面での行動から発達を見立てます。20分~30分程度を要します。
- S-M社会能力検査・・・乳幼児から中学生までの生活面での発達についてアセスメントします。15分程度を要します。
- Vinelland -Ⅱ適応行動尺度・・・どの年齢のお子様でも。お子様の生活のご様子を幅広い視点からアセスメントします。約30分~45分を要しますので、まずは上記の検査を受けていただいた上で、必要ならご検討ください。
これらの検査を用いてお子様の発達の特徴を客観的に見立て、発達特性に合わせたサポートを親御様とご一緒に考えます。日本で受けられるサポートについても可能な範囲でお調べしてお伝えいたします。
3.海外で子育てをすることのメリット
ここまで海外での子育てにまつわる困りごとばかり述べてきましたが、もちろん海外での子育てにはメリットもたくさんあると思います。周囲に頼れる人を見つけるのが難しい環境は、裏返せば家族の絆を深める環境でもあります。ご夫婦が協力して子育てに取り組むことができれば、お子様の情緒の発達にはすばらしい影響を及ぼすことができると思います。
またお子様の体験を通して、親御様も現地の文化を幅広く経験することができるのではないでしょうか。お子様のローカルのご友人のご家族との交流、現地の年中行事への参加、外国語の習得、など、日本に住んでいたらできないようなことを経験できるでしょう。このような経験が視野を広げてくれることは間違いないでしょう。
(竹田)